「ロマン派」や「ロマン主義」などにみるロマンの語源

「ロマン派」「ロマン主義」が登場してきたのは、ベートーベンのあたりからです。
「ロマン」という言葉は日常でも使われる言葉ですが
よくよく考えると、意味のわからない言葉でもありませんか?

たとえば、女の子が「ロマンチックな恋がしたいわ」というときのロマンと
秘境に探検に行く男が「これが男のロマン」というときのロマンでは
すこし隔たりがあるように思うのです。


「ロマン」のおおもとの意味は、何かご存知でしょうか?
じつは「ローマ的」といったニュアンスを含んでいます。
ローマとは、皆さんがよくご存じの古代ローマ帝国。
当時のローマ帝国には、大きく分けて2つの言語がありました。
ひとつはラテン語。公用語であり、知識階層が使っていた言葉とされています。

もう一つは、ロマンス語。これは庶民が使っていた言葉で
ロマンス語によって書かれた物語が「ロマンス」と呼ばれるようになったわけです。



このようにして、ロマンスは庶民向きの、エンターテイメント小説のことだったのです。
ここから、ロマンス語でなくても、庶民的な娯楽のために作られた物語を
「ロマン」と呼ぶようになったのです。

「ロマン」が「ロマン派」や「ロマン主義」になるのは
18世紀末から19世紀にかけてのこと。
フランとドイツのロマン主義を比べると、そのニュアンスは少し異なりますし
音楽と文学、そして美術のロマン主義も、微妙に異なります。

音楽に的を絞り、ロマン主義音楽を一言で端的にいいますと
それは「自由な音楽」とあらわすことができます。
古典派の時代は形式が重視されていましたが
そこから自由になり、作曲家それぞれの完成が重視されるようになりました。


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